とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜

「…いつから、気づいてたの…?」

緊張からか喉が乾いてしまい、うまく言葉が出てこない。

ジッとロイを見つめ、彼の一挙一動を見逃さないように私は目を凝らす。

「いつから…。そうだな。フロイドと初めて会った日から"女"だってことには気づいてた。まぁ…君が公爵令嬢だって知ったのはつい最近だけどね」


「……」


口調もすっかり、公爵のロイ・シェラードから騎士団副団長のシェスへと変わっていた。

初めて会った日って…ロイは、4年前から私が女って気づいてたってこと?

じゃあ、私と今まで騎士団で会ってる時は、どういうつもりで接していたの…?

そんな疑問だけがどんどん浮かんでくる。

「一応、言っとくけど…。俺は別に男だから女だからって言う理由で騎士団に所属することを否定するつもりはなかったよ。純粋にフロイドの剣技は、俺もすごいと思ってたしね。それに、俺自身も公爵の身分を隠して騎士団にいたわけだし人のこととやかく言う立場でもないしな」

私の表情が強張ってることに気づいたのか、ロイは真っ直ぐに私を見据えてそう言い放った。

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