とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜

昔はもっと気軽に何でも話してくれてたのに。

キースの考えていることがわからなくて、ついキュッと唇を噛みしめた。

シュンと肩を落としうつむく私の姿に。

「あのさキース、"俺の"婚約者に対してひどいこと言うのやめてくれないかな?」

またもやロイが口を挟む。

「だから…!誰がお前の婚約者だよっ!フローラは納得してないって言ってんだろ!」

「だから、その辺りのことはキースには関係ないってさっきから言ってるんだけど?」

あぁ…もう無限ループだわ。

結局、先ほど見た光景と似たような状況に陥ってしまい、私もこれ以上どうしていいかわからなくなってしまう。

「…っ。関係なくねぇ!俺だって…」

「俺だって?」

「フローラとは昔なじみだし…」

…??

途中から、急に勢いがなくなったキースは、なぜかしどろもどろになりつつ、そんなことを口にした。

「フッ。それ俺もだけど?」

「う、うるさいな…!んなことは言われなくてもわかってんだよ!とにかく、女が嫌がってるのに無理やり婚約するなんてどう考えてもおかしいだろ!?フローラの気持ちを尊重するのが大切じゃねぇのかよ」

キース、そこまで私のことを考えてくれてたのね。

私を庇ってくれる彼の行動に感動して、胸がジンと熱くなる。
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