とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
「……」
呆然と地面に座り込むキースは、何がおきたのか未だにわかっていない様子。
そんな彼に対して「立てるか?」と心配して手を差し伸べた時。
ガシッ。
……!?
私の腕を突如、掴んだキースは「今のどうやったんだ!?」と瞳をキラキラさせて詰め寄ってきた。
私はそんな彼の突然の行動にパチパチと、目をしばたたかせる。
「…ははっ。フロイド〜、キースに懐かれたな」
「コイツ、気に入った相手にはとことん、構ってちゃんだから気をつけろよー」
ハロルドとジャックが、ニヤニヤしながら私とキースを交互に見てそんなことを言い放った。
いや…急には懐かれたとか言われても。
そう思いつつ、ソロっとキースに目を向けてみる。
先ほどまで毛嫌いしていたくせに、今度は興味津々で私をまっすぐに見つめる彼に思わず苦笑した。
まぁ、嫌われてるよりはいいわよね…?
「なぁなぁ…!フロイドって言ったっけ。俺のことはキースって呼んでよ。つか、もう一戦しない?今度は負けねぇし」