とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
確かにね…。
彼の冷静なツッコミに思わず口角が引きつりそうになるも、どうにか堪えた私は笑顔を崩さず「えーっと、それと家業の話もあってさ」と言葉を紡いだ。
実は私が女であることについてのみ、ハロルドとその妹アンには4年前に打ち明けていた。
さすがに男所帯の騎士団内、協力者もなしに隠し通すのは無謀だとミリアが判断したためだ。
『…女、そうか…。いや、でもフロイドの剣の腕は惜しい…。俺もできる限り協力するから騎士団に残ってくれないか?』
『お、女の子…だったのね。道理で綺麗な顔してるわけだわ…うん!私もできる限り協力するし大船に乗ったつもりでいてよ!』
2人とも最初は驚いていたが、最終的には受け入れてくれて…それでも尚、騎士団に来てほしいと言ってくれた。
そういう理由(ワケ)で、私は騎士団に入ることを決めたのだ。
まぁ…2人には、公爵令嬢であることは隠しているので、私のことはどこかの下級貴族令嬢くらいにしか思ってないだろうけど。