とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
2人の協力もあって、この4年間なんとか騎士団員としてやってこれた。
『いい?フロイドはすごく、すごーく家業で苦労してるの!だから、ここに来てる時くらいは楽しく騎士団の仕事をしてもらいたいわけよ!だから、フロイドに家業のこと聞くのは禁止ね』
アンのそんな根回しのおかげで、他の団員達の中では、私の家業について聞くのはタブーという暗黙のルールが作られており、大抵の場合家業の話を持ち出すと引き下がってくれるのだが…。
「家業ね…。それさ、いい加減俺に話してくれてもいいんじゃない?副団長なんだし、今後知っといたほうがいいと思うんだけど」
正論で返してくるシェスに私は内心、苦笑いを浮かべる。
「えっと…まぁ、そう、だね」
口ごもりつつ、彼に対して、どう返答しようか迷っていた時。
「ただいま〜。あれ?シェスに…フロイド?どうしたの2人で神妙な顔しちゃって」
団長室に入ってきたのは、アンだった。
よかった…!アン、ありがとう。ナイスタイミング!