とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
「それもそうねぇ…幼なじみみたいなもんなのに1人が知って1人が知らないんじゃかわいそうだわ」と、あっけらかんと言い放つアンに私は小さくため息をこぼした。
「…あのね、アン。実は今日は折り入って相談があって…」
「相談?どうしたの?」
キョトンとした表情のアンに私は神妙な面持ちで話を切り出す。
「実は私、婚約が決まったの。だから、騎士団の仕事、今後さらに続けていくの難しくなりそうで…」
「婚約!?さすが、貴族令嬢ね!いいなぁ〜」
うっとりと胸の前で手を組み、羨ましそうに私をキラキラした瞳で見つめる彼女に再度ため息をつく。
「あのね。貴族の政略結婚なんて…最悪よ?基本的には親の言うことに従わないとだし…こっちが嫌って言っても相当な理由がない限り、破断にできないんだから」
「…そ、それは確かに嫌かもね」
若干、青ざめたアンに対して私もコクリと頷いた。
「ま、私の場合はどうにかして破断に持ち込む予定ではあるんだけど…どうしても今までより自由がきかなくなると思うの」