とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
「なるほど。破断に…え!?破断?どういうこと?」
サラッと言ってのけた私の言葉にアンが食い付く。
「だって、私はまだ結婚したくないもの。今はそんなことよりもっと、大事なことがあるし…」
そう、どうやってお父様から公爵家の爵位を受け継ぐか…とかね?
神妙な面持ちで私がうんうんと、頷いていると。
「いやいや…。普通の貴族令嬢って最終的に良い家柄の貴族に嫁ぐのが誉れなんじゃないの…?フロイドってやっぱり変わってるわ」
呆れたようにアンはそう言葉をもらす。
「まぁ、男装して騎士団員やってる時点で普通の貴族令嬢とは違うけどね?」
「そう言えばそうね…。とりあえず事情はわかったわ。兄さんにも私から話しておく。そしたら当分こっちに顔は出せないの?」
「そうねぇ…婚約相手がどのくらいで音を上げて私との婚約を破断してくれるかにもよるけど…私としては2ヶ月でミッションコンプリートするつもり」
最後に満面の笑みでアンにそう言い放つと、彼女は再度呆れたような視線を私に送った。