とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜


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「キャンベル公爵令嬢、しばしこちらのお部屋でお待ち下さいませ。すぐにロイ様をお呼びいたしますので」

恭しくお辞儀をしながら声をかける執事に「えぇ、ありがとう」と、にこやかな笑みを携え、お礼を述べる私。

「すぐに紅茶のご用意もいたします」

そう言って、部屋を後にした執事。

彼の姿が見えなくなり、ようやく私の肩の力が抜けた。

おしとやかな笑みって、表情筋使うからしんどいのよね〜。

そんなことを考えつつ、私はムニムニと自分の頬をマッサージする。

本日、私、フローラ・キャンベルはロイ・シェラード公爵の招待をうけ、シェラード邸を訪れていた。

今日ばかりは、その辺のご令嬢のように着飾り、淑女の仮面をかぶっている私。

ただ、どうしても着飾ったドレスは肩がこる。

私は誰にも見られていないことをいいことに、ぐるぐると肩を回し、伸びをした。

それにしても…。

「さすが、シェラード家ねぇ。中々の内装だわ」

通された部屋はおそらく客間なのだろうが、私でも知っている有名な彫刻やら、絵画が並んでいて思わず感嘆の声がこぼれた。

さらには、隅々まで掃除も行き届いており、執事や侍女のレベルもかなり高いことが伺える。

これは、お父様が推すわけね…。

娘の結婚相手の家柄としては十分すぎるくらいだもの。

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