とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
「そういえば、シェラード公爵家のロイ様って…一度も公に姿を現したこと、ありませんよね…?」
「えぇ。ご長男のハリス様は、優秀で見た目も麗しいし、ご令嬢方の人気もすごいですけれど、弟のロイ様に関しては一切情報がありませんの…噂によると引き篭もりとのことで…」
「まぁ…!優秀なお兄様と比べられて嫌気でもさしてしまわれたのかしらね」
貴族令嬢の中でも、そんな噂が絶えない人物だ。
かなり不細工で表に姿を出せないとか、性格に問題があるらしいと言われたい放題。
しかし、当の本人も否定しないし、表舞台に出でこないものだから噂が噂を呼び、どんどん尾ひれが大きくなっている。
「…噂のことか?それはあくまで噂であってだな…」
「お父様、火のない所に煙は立たぬと言いますよ?そんな噂が立つくらいです、そういう方なのではないですか??」
私もどうせ結婚するのであれば、キャンベル家当主(予定)の私を支えてくださるくらいの器がある男性が良いに決まっている。