とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
言葉は選びつつ、自分の正直な気持ちを述べた。
婚約破棄の理由に関してはロイ…いや、シェスには正直に言おうと思ったから…。
「フッ…。そうでしょうね。私が貴女の立場でも不安材料に感じます」
そんな軽口を言うくらいだから、気を悪くしたわけではなさそうで内心安堵する。
「ロイ様もご存知かと思いますが、現在キャンベル公爵家には正式な後継ぎがおりません。子どもは3人いますが私を含め、女ですし…姉2人はすでに他の貴族家に嫁いでおります」
コクリと頷く彼を確認し、私は説明を続けた。
「というわけで、残った私に白羽の矢が立ったわけなのですが…。私は、小さい頃からキャンベル公爵家の後継ぎになるのを目標に勉学も、剣術も励んできました。だから…」
「急に出てきた私に、キャンベル公爵家を譲るのは嫌だ…というわけですね?」
「…い、言い方がちょっとあれですけれど…噛み砕くとそんな感じですわ」
横槍を入れてきたロイに対して、若干言葉に詰まりつつも私は首を縦にふる。