Destiny

「ねぇねぇ、ピアスって空けたら運命変わるらしいよ？私も空けようかな？」



「似合わないよ。やめとけば」



私をちらりとも見ずに、翔はあっけなく会話をぶった切った。



まただ。また否定をされた。翔と付き合って間もなく半年。釣った魚には餌をやらない主義なのか、日に日にその態度は冷たくなっていく。


最初は些細な事だった。自分好みの女にしたいタイプなのか知らないけれど、翔は“今日のメイク濃くない？俺、薄い方が好きなんだよね”等と、度々私のファッションやメイクに口出ししてきた。



別におねだりしている訳じゃないんだよ。



何故私が運命を変えたがっているのかに気付いてよ。もうすぐクリスマスだよ？



翔と笑い合ってクリスマスを過ごしたいから、運命を変えたいんだよ。