Destiny
「バチン!」


勢い良く振り上げた私の手の平は、見事に爆睡していた翔の頬に当たった。


私の手も痛かったけれど、翔も痛かったのだろう、うずくまっている。



これでおあいこ。すっきりさようならだ。


「菜々?!」と翔は瞬時にこの状況を理解したようだけれど、遅いよばーか。


「さようさら」そう言い残し、私は胸クソの悪いこの場を足早に後にし、翔の連絡先を全て削除した。


同じ大学で共通の知り合いもいるけれども、知るか。


むしろ、浮気されて別れたって私から吹聴してやろうか。

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