婚約者の浮気相手が子を授かったので
だが、それも長くは続かなかった。ファンヌ自身が王太子妃教育を受けなければならなくなり、学校を退学してしまったからだ。彼と共に行っていた『研究』が中途半端な形で終わってしまったことが、ファンヌの唯一の心残りでもある。
「半々ってところかしらね」
ヒルマが何を根拠にそう口にしたのかはわからないが、誹謗中傷よりは同情された方が『研究』に与える影響は少ないと、ファンヌは思っていた。
「まあ、そういうことですから。私が学校に戻ることを許していただきたいのですが」
「そうだな。ファンヌの『調茶』の『研究』は、この国にとって重要なテーマだからな。もちろん反対はしない。だが、一度退学という形をとってしまっているから、学校には確認をしたほうがいいだろう」
「ありがとうございます。すぐにでもキュロ教授に連絡してみます」
「ファンヌ。陛下のことは私たちに任せなさい」
トンと胸を軽く叩くヒルマが、この中で一番頼もしく感じた。
この後、家族で他愛もない話をした後、ファンヌは自室へと引き上げた。窮屈なオレンジ色のドレスを脱ぎ、シャツとトラウザーズに着替える。令嬢とは思えない恰好であるが、ファンヌにとってはこの恰好が動きやすかった。
「半々ってところかしらね」
ヒルマが何を根拠にそう口にしたのかはわからないが、誹謗中傷よりは同情された方が『研究』に与える影響は少ないと、ファンヌは思っていた。
「まあ、そういうことですから。私が学校に戻ることを許していただきたいのですが」
「そうだな。ファンヌの『調茶』の『研究』は、この国にとって重要なテーマだからな。もちろん反対はしない。だが、一度退学という形をとってしまっているから、学校には確認をしたほうがいいだろう」
「ありがとうございます。すぐにでもキュロ教授に連絡してみます」
「ファンヌ。陛下のことは私たちに任せなさい」
トンと胸を軽く叩くヒルマが、この中で一番頼もしく感じた。
この後、家族で他愛もない話をした後、ファンヌは自室へと引き上げた。窮屈なオレンジ色のドレスを脱ぎ、シャツとトラウザーズに着替える。令嬢とは思えない恰好であるが、ファンヌにとってはこの恰好が動きやすかった。