婚約者の浮気相手が子を授かったので
「完全に獣化する前に抑制剤を飲んだから、それはなんとかなったのだが……。やはり、少々暴れてな。悪いが鎮静剤を打たせてもらった。エル坊は、先祖返りもあって魔力も強いからな。暴れられると俺ら騎士団でも手が出せなくなる。今は、部屋で眠ってる」
眠ってる。その言葉でファンヌはほっと胸を撫でおろした。
「では、エルさんが目を覚ましたら、一緒に帰ります。大丈夫、ですよね?」
「そうだな。エル坊が落ち着いているようなら、一緒に帰った方がいいだろう」
「だけど……」
王妃は何か言いかけた。
「エル坊の屋敷にいる者たちも、エル坊のことをよくわかっている者たちだから大丈夫だろう。だけどファンヌ嬢。状況によってはエル坊から離れるという選択肢が必要なこともあるから、それだけは肝に命じておいて欲しい」
「はい」
ファンヌは力強く頷いた。それはけしてエルランドから離れたくないという思いからだ。
ファンヌはオスモの昼休みの時間を狙って、『調薬室』へと足を運んだ。どうやらオスモはまだ『診断室』にいるようだ。
「大先生……。今、お時間ありますか?」
『診断室』の扉を開けて、ファンヌはオスモに声をかけた。
「おお、ファンヌ嬢……。エルはどうなった?」
眠ってる。その言葉でファンヌはほっと胸を撫でおろした。
「では、エルさんが目を覚ましたら、一緒に帰ります。大丈夫、ですよね?」
「そうだな。エル坊が落ち着いているようなら、一緒に帰った方がいいだろう」
「だけど……」
王妃は何か言いかけた。
「エル坊の屋敷にいる者たちも、エル坊のことをよくわかっている者たちだから大丈夫だろう。だけどファンヌ嬢。状況によってはエル坊から離れるという選択肢が必要なこともあるから、それだけは肝に命じておいて欲しい」
「はい」
ファンヌは力強く頷いた。それはけしてエルランドから離れたくないという思いからだ。
ファンヌはオスモの昼休みの時間を狙って、『調薬室』へと足を運んだ。どうやらオスモはまだ『診断室』にいるようだ。
「大先生……。今、お時間ありますか?」
『診断室』の扉を開けて、ファンヌはオスモに声をかけた。
「おお、ファンヌ嬢……。エルはどうなった?」