婚約者の浮気相手が子を授かったので
「エルさん。昼休みには、こちらに顔を出しますから。一緒に昼食をとりましょう」
そんなファンヌの一言で、なんとかエルランドの機嫌は直ったようだ。
そして今、ファンヌはオスモの指導を受けながら、例の『薬』の成分を分析している真っ最中であった。
「ファンヌ嬢。この色を見なさい」
例の『薬』をたくさんのシャーレに少量ずつ分けていた。そこに違う薬や薬草、さらに茶を垂らして反応を確認するのだ。
「これは、微かであるが反応を示している」
オスモに言われた通り、反応を示した茶葉や薬草を帳面に記していく。最後の一つを書き切った時、ファンヌは気づいた。
「大先生。これ、やはり『違法薬草』や『違法薬』などは使われていないようです。むしろ、ありきたりな薬草と茶葉だけです」
「そんなはずは……」
ファンヌの報告に耳を疑ったオスモは、彼女が書いた帳面を覗き込んだ。
「本当だな。いたって普通に市場に出回っているものばかりだ。この辺の薬草なら、エルだって今までも何度も触れている」
ファンヌもじっと並べられた薬草と茶葉に目を向ける。オスモが言った通り、流通しているものであり、あの工場で『製茶』していたときにもよく目にしていた薬草や茶葉だ。
いや、むしろあの工場にあったものしか、ここには記載されていない。
そんなファンヌの一言で、なんとかエルランドの機嫌は直ったようだ。
そして今、ファンヌはオスモの指導を受けながら、例の『薬』の成分を分析している真っ最中であった。
「ファンヌ嬢。この色を見なさい」
例の『薬』をたくさんのシャーレに少量ずつ分けていた。そこに違う薬や薬草、さらに茶を垂らして反応を確認するのだ。
「これは、微かであるが反応を示している」
オスモに言われた通り、反応を示した茶葉や薬草を帳面に記していく。最後の一つを書き切った時、ファンヌは気づいた。
「大先生。これ、やはり『違法薬草』や『違法薬』などは使われていないようです。むしろ、ありきたりな薬草と茶葉だけです」
「そんなはずは……」
ファンヌの報告に耳を疑ったオスモは、彼女が書いた帳面を覗き込んだ。
「本当だな。いたって普通に市場に出回っているものばかりだ。この辺の薬草なら、エルだって今までも何度も触れている」
ファンヌもじっと並べられた薬草と茶葉に目を向ける。オスモが言った通り、流通しているものであり、あの工場で『製茶』していたときにもよく目にしていた薬草や茶葉だ。
いや、むしろあの工場にあったものしか、ここには記載されていない。