婚約者の浮気相手が子を授かったので
第十章
目の前に広がる茶畑。肌に触れる空気が暖かい。
「ここがオグレン領か」
茶畑を見つめるエルランドは目を細めていた。何かをじっと見つめるとき、こうやって目が細くなるのがエルランドの癖なのだ。
「どうやら、薬草園を縮小して、茶畑の方を広げたようですね」
もちろん、その理由をエルランドも知っている。必要な薬草は、ベロテニアから送っているからだ。そして、茶葉をオグレン領から送ってもらい、製茶したお茶をまたオグレン領へと送る。お互い、そうやって良い関係築いている。
「昔は、あそこからあそこまで薬草園だったんですよ。で、あそこまでが茶葉だけ。昔よりも、大分広がっています」
ファンヌが指で場所を指し示しながら説明をした。その様子を、エルランドは目を細めて見つめる。
少しだけ頬を高揚させ、興奮している様子がファンヌらしい。
「あ。茶摘みの人がいました。って、あ……」
どうやら、ファンヌは知っている人物を見つけたようだ。
「あ、ファンヌ様」
女性の高い声が、エルランドの耳にも届いた。
「え? ファンヌ様?」
次々とファンヌの名を呼ぶ声があがった。
「ここがオグレン領か」
茶畑を見つめるエルランドは目を細めていた。何かをじっと見つめるとき、こうやって目が細くなるのがエルランドの癖なのだ。
「どうやら、薬草園を縮小して、茶畑の方を広げたようですね」
もちろん、その理由をエルランドも知っている。必要な薬草は、ベロテニアから送っているからだ。そして、茶葉をオグレン領から送ってもらい、製茶したお茶をまたオグレン領へと送る。お互い、そうやって良い関係築いている。
「昔は、あそこからあそこまで薬草園だったんですよ。で、あそこまでが茶葉だけ。昔よりも、大分広がっています」
ファンヌが指で場所を指し示しながら説明をした。その様子を、エルランドは目を細めて見つめる。
少しだけ頬を高揚させ、興奮している様子がファンヌらしい。
「あ。茶摘みの人がいました。って、あ……」
どうやら、ファンヌは知っている人物を見つけたようだ。
「あ、ファンヌ様」
女性の高い声が、エルランドの耳にも届いた。
「え? ファンヌ様?」
次々とファンヌの名を呼ぶ声があがった。