婚約者の浮気相手が子を授かったので
「そう。君が興味を持ちそうだと思って、ベロテニアの紅茶を準備したんだ。飲んでみるかい?」
「もちろん」
「こちらにおいで」
ファンヌは促されるまま、エルランドの隣に座った。それを微笑みながら見ているのがショーンとカーラであるが、すぐさまカーラがお茶を淹れ始める。
「香りも独特なんですね」
湯気と共に漂ってきた紅茶の香りに、ファンヌは顔を綻ばせた。
「ああ。知っている通り、この国ではまだ獣人の血が引き継がれているからな。だから好みも他の国とは異なる」
「もしかして。それぞれ摂取してはならない薬草とか、茶葉とか。あったりするのでしょうか?」
「どういう意味だ?」
「え、と。獣人の血を引くということは、動物の特徴も受け継いでいるわけですよね。犬猫にネギが駄目なように、その特徴を持つ方もネギが駄目とか」
「最近では、食べ物での過剰反応は聞いたことはない。それだけ血が薄れていると言う証拠だな。だが、その人にあった『調薬』『調茶』をするというのは、獣人に限らず誰にでも当てはまることだ」
「なるほど、そうですね。一般向けの『調茶』と個人個人の『調茶』は異なりますからね。獣人だろうがそうでなかろうが、同じだということですね」
にこやかに微笑んでいたはずのショーンとカーラの表情が、険しくなっているのは気のせいだろうか。
「もちろん」
「こちらにおいで」
ファンヌは促されるまま、エルランドの隣に座った。それを微笑みながら見ているのがショーンとカーラであるが、すぐさまカーラがお茶を淹れ始める。
「香りも独特なんですね」
湯気と共に漂ってきた紅茶の香りに、ファンヌは顔を綻ばせた。
「ああ。知っている通り、この国ではまだ獣人の血が引き継がれているからな。だから好みも他の国とは異なる」
「もしかして。それぞれ摂取してはならない薬草とか、茶葉とか。あったりするのでしょうか?」
「どういう意味だ?」
「え、と。獣人の血を引くということは、動物の特徴も受け継いでいるわけですよね。犬猫にネギが駄目なように、その特徴を持つ方もネギが駄目とか」
「最近では、食べ物での過剰反応は聞いたことはない。それだけ血が薄れていると言う証拠だな。だが、その人にあった『調薬』『調茶』をするというのは、獣人に限らず誰にでも当てはまることだ」
「なるほど、そうですね。一般向けの『調茶』と個人個人の『調茶』は異なりますからね。獣人だろうがそうでなかろうが、同じだということですね」
にこやかに微笑んでいたはずのショーンとカーラの表情が、険しくなっているのは気のせいだろうか。