歯が痛すぎて無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになった件
「モロン男爵には沙汰が決まるまで屋敷から出すなと言ったはずだが……貴様がハーミリアに呪いをかけた犯人だと調べもついている。その腫れ上がった顔は呪い返しを受けたからだろう?」
「っ!! あw瀬drftgyふじkぉp;ー!!!!」
「はっ、なにが真実の愛はここにあるだ。ふざけるな! 僕が心から愛しているのはハーミリアだけだ!!」
なんですって!! どうしてドリカさんの言っていることが理解できるのか気になるけど、それよりも、わたくしを、あ、あ、あ、愛してるですって——!!!!
ああ、神様、わたくしもう死んでもいいです。なんなら天国へでもどこへでも自力で行けそうですわ……!!
「亜w瀬drふぁせdrふぁせdr——」
その時、なにか言いかけたドリカさんの口から、前歯が丸ごとぽろんと落ちた。
それはもう見事にぽろんと綺麗に並んだ状態で、地面に転がった。
それを見たドリカさんはショックで錯乱したのか、もう声にならない奇声を上げながら突進してきた。手元にはキラリと光るショートダガーが握られている。
「僕のハーミリアに近づくなっ!!」