歯が痛すぎて無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになった件

 私室に戻りソファーに腰を下ろして、目次に目を通すと出会い編から結婚編までの五部構成になっていた。僕とハーミリアはすでに婚約者なので、出会い編は飛ばしてお付き合い初級編のページを開く。

【お付き合い初級編 その①恋人を褒めよう!】

「へえ、これはクリアされてるんじゃないですか?」
「そうだろうか? 僕の気持ちをなるべく言葉にしてるが足りているのだろうか……?」
「うーん、大丈夫じゃないですか? 何事もやりすぎはよくないですよ」
「そうか……では、次だな」


【お付き合い初級編 その②お互いに愛称で呼ぼう!】

「あ、愛称……!!」
「うわー、この本ライオネル様にはちょっと早かったかな」
「いや、そんなことはない! そうだ、学院でも婚約者同士で愛称で呼び合っている者たちもいるのだ。実はずっと羨まし……僕たちもそろそろ頃合いだと思う」
「じゃあ、次のステップはお互いに愛称呼びすることですね」

 愛称……ずっと前から決めていた。僕しか口にできない特別な呼び方。
 ついに解禁するのか……!!
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