BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「でも、それは回避できたわけでしょう? あの分岐で私が死んでないのだから」

「でも、死にかけたじゃない?」

 死にかけた、のだろうか。死んだかも、とは思ったけれど。

「え、てことは……。知らないうちにジェレグレルートに進んじゃったってこと?」

「うーん、どうだろう。王道ジェレグレとは違うのよね」
 ヘレナは唸るしかない。
 一体、このルートはどこの何を目指しているのだろうか。
「私としては、究極プレミアム裏ルート希望なんだけど……」
 と言う、ヘレナの呟きが聞こえてきたのだが、それはジーニアの耳をただ通り抜けていくだけだった。
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