BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「僕です。先ほどジーニア嬢が苦しんでおられたので、至急、身内であるジェレミー殿へ連絡すべきであると判断しました」
 シリルが言えば、クラレンスも「そうか」と納得する。これぞ信頼関係。だが、いつの間に兄へ連絡をいれたのか。恐らく、外の誰かと通話できる何かの類を持っているのだろう。

「それで、妹は? 死にそうなほど苦しんでいる、と連絡を受けたのですが……」
 ジェレミーにとっては目の前の妹を見たら、騙されたと思ってしまうだろう。

「妹君の命はあと十日程。先日の襲撃に呪詛が込められていた。その呪詛は時間経過と共に発動するもので、それが発動した」
 ジュードの淡々とした説明に、ジェレミーは目を白黒させるしかない。
「今は魔法でその症状を抑えているだけだ」
「ジーンの呪詛というのは、どうしたら解けるのですか?」
 ジェレミーは負けじとジュードに詰め寄った。
 隊長、というグレアムの声が聞こえてくる。

「それをこれから調べるところだ。暑苦しいから離れろ」
 詰め寄ったジェレミーを必死で引き離そうとしているジュード。それを見ているミックは軽く息を吐いているし、グレアムはジェレミーを止めようと腕を伸ばしているし、クラレンスとシリルは何やら真面目な顔で話し合っているし。ジーニアには何が何だかわけがわからなくなってきた。

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