BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「う~ん」
 と唸ってジーニアが額に手を当てれば。
「どうした、ジーン、頭が痛いのか?」
「おい、シリル。ジーニア嬢に痛み止めを」
「まさか。そこまで呪詛が広がっているのか?」

 と三攻めそれぞれ好き勝手に口にする。余計に頭が痛くなりそうだ。

「どうやらジーニア嬢はお疲れの様子。そろそろ、我々も撤収した方がよろしいのではないでしょうか?」
 と穏やかに言葉を発したのはシリルだ。さすが誘い受け。とジーニアは思っているが、ここでそれは関係ない。

「そうだな。私たちは一度戻ろう。ジーニア嬢、少し休むがいい」

「でしたら、その。兄と話をさせてもらってもよろしいですか? やはり、その、家族なので……」
 クラレンスが鋭い視線でジェレミーを見た。やはり攻め同士ならではの、何かがあるのだろうか。ここにヘレナがいたのであれば、間違いなく「んなわけ、あるか」とツッコミをいれてくれただろうに、残念ながら彼女はいない。

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