BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「ジーニア嬢、婚約者は?」
 尋ねてきたのはジュード。この微妙な雰囲気をなんとかしようとしてくれているのかもしれない。

「え、と。残念ながら、おりません……」

「それは、困ったな」

 ジュードに言われるまでもなく、ジーニアも困っている。何しろジーニアにかけられた呪詛の解呪方法は、ジーニア一人でできるものではなく、協力者が必要だから。
 ジーニアの呪いを解くことに協力してくれる人、と募ったら、恐らくヘレナは名乗りをあげてくれるだろう。だが、彼女では協力者の条件に当てはまらないのだ。理由は、ヘレナが女性だから。この解呪に必要なのは、男性であると思われる。

 また、気まずい空気が流れる。

「どうする? この中から選ぶか?」
 これまたジュードがおかしなことを口にする。
「ジーニア嬢の呪いを解く協力者を、だ」

「選ばない、と言ったら。自力で探すしかありませんよね……」
 ジーニアは、ふぅ、と息を吐いた。
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