BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 ジーニアの発言に、男六人の視線が彼女に集まった。こうなったら、開き直るしかない。

「道具を使って、とか……」
 とジーニアが口にすれば、グレアムが吹いた。グレアムの気持ちもわからないではないが、相手がいない以上、自力でなんとかするしかないというのがジーニアの思いなのに。

「ジーニア」
 ジェレミーが妹の名を呼んだ。「ジーン」ではなく「ジーニア」と呼んだところが、彼の怒り度が高くなっていることを示す。

「いや、だって。お兄さま。考えてみてください。婚約者もいない私にどうしろと? こうなったら、もう、プロに頼むしかないとか。そこまで考えちゃったじゃないですか」
 プロと言ったところでミックが吹いた。

自棄(やけ)になるな、ジーニア嬢。そもそも解呪の方法として、破瓜を破るというのはわりと一般的な方法だ。男であるなら、破瓜の血を浴びる、だな」
 ジュードが腕を組みながら言葉を発するが、ジーニアはそれすらジロリと睨みつける。

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