BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
「そうなのですね。では、お母さま、頼みます」

「任せておきなさい、ジーン。お父様の面倒は、この母がしっかりとみますから。あなたも安心して王城勤めを果たしなさい」

「はい」

「それよりもジーン。こんなにのんびりしていていいのか? お前、学院は?」
 と兄のジェレミーに指摘され、大きな柱時計に視線を向ける。
「はい。どうやらのんびりし過ぎたようです」

「よし、わかった。俺が王城に戻るついでに、送ってやる」

「さすが、お兄さまです」
 ジーニアは急いで学院へ行く準備を整えた。といっても、教科書の入っている鞄を手にするだけ。
「ジーニア。乗れ」

 さすが日本人の考えたゲームである。ここで馬ではなく自動車が登場するあたりがジーニアにとってもありがたい。兄の運転する真っ赤なスポーツカーのようなデザインの車の助手席にジーニアは乗り込んだ。

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