BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
5.
「おっはよう、ジーン。今日はジェレミー様が送ってくださったの? うらやましいわ」
兄の車から降り、正門から昇降口へと向かう途中で、バシンと背中を叩かれた。少々力の強い彼女は、ジーニアのクラスメートの一人のヘレナだ。彼女は、学院卒業後に騎士団に入団することが決まっている。どこの部隊に配属されるのかはわからないのだが、花形の護衛騎士よりは、他の部隊を望んでいるところが彼女らしい。
「私も、第五騎士隊に配属になれたらいいな」
と、なぜか恋する乙女のように手を組んでいる。
「え?」
驚いたジーニアはヘレナの顔をつい見てしまった。
「なぜ、第五?」
第五騎士隊はジェレミーがまとめあげる隊だ。華やかさとは程遠く、どちらかと言えばむさ苦しい隊。ジーニアにとっては、ジェレミーとグレアムの二人の背景にだけ花が舞っているような、そんなイメージしかない。
「だって。ジェレミー様が隊長になったのでしょ?」
「さすが、ヘレナは情報が早いわね」
ジーニアが言えばヘレナは「えへへ」と笑っているが、けしてジーニアは彼女のことを褒めたわけではない。
兄の車から降り、正門から昇降口へと向かう途中で、バシンと背中を叩かれた。少々力の強い彼女は、ジーニアのクラスメートの一人のヘレナだ。彼女は、学院卒業後に騎士団に入団することが決まっている。どこの部隊に配属されるのかはわからないのだが、花形の護衛騎士よりは、他の部隊を望んでいるところが彼女らしい。
「私も、第五騎士隊に配属になれたらいいな」
と、なぜか恋する乙女のように手を組んでいる。
「え?」
驚いたジーニアはヘレナの顔をつい見てしまった。
「なぜ、第五?」
第五騎士隊はジェレミーがまとめあげる隊だ。華やかさとは程遠く、どちらかと言えばむさ苦しい隊。ジーニアにとっては、ジェレミーとグレアムの二人の背景にだけ花が舞っているような、そんなイメージしかない。
「だって。ジェレミー様が隊長になったのでしょ?」
「さすが、ヘレナは情報が早いわね」
ジーニアが言えばヘレナは「えへへ」と笑っているが、けしてジーニアは彼女のことを褒めたわけではない。