BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに

4.

「クラレンス様、楽しそうですね」
 ジーニアの様子を見に行った帰り、なぜか機嫌の良さそうなクラレンスに対して、シリルがそう声をかけた。

「面白くないか? あの娘」

「あの娘……。ああ、ジーニア嬢ですね。ジーニア・トンプソン。父親はマルテン・トンプソン」

「元第一の、か?」

「そうです」

「ああ、だからか。ジェレミーが妹と言っていたな」

「はい」

 シリルは余計なことを口にはしない。クラレンスが楽しそうにしているのであれば、それで良いのだが。
 それでも嫌な予感がする。

「クラレンス様。何を企んでいらっしゃいますか?」
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