BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
 困った。
 それがジーニアの気持ち。
「困ったことがありましたら、お呼びください」
 なんてルイーズは言ってくれたけれど、暇だから困っているとも言えない。
 そうやって時間を潰していたら、背中がじんわりと痛み出してきた。恐らく、痛み止めの薬の効果が切れてきたのだろう。何もこのタイミングで切れなくても。痛いと思うと本当に痛くなるのが不思議だった。
 今までは身体を動かすと皮膚が引き攣るような痛みだったのに、その刺さった箇所を中心にジンジンと痛み始めている。真っすぐ立つこともできず、身体を丸めて寝台の方に移動した。

 ルイーズの「お呼びください」という言葉が思い出されたが、彼女を呼びだすまでの気力も無い。痛みが全ての思考を奪っていく。荒い呼吸と浅い呼吸を繰り返し、何とか痛みに耐えようとする。それを繰り返しているうちに、どうやら眠ってしまったようだ。

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