BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに

2.

 ――え、どっちが攻め? どっちもイケる?
 この状況においてジーニアの頭は混乱してきた。
 ――いやいやいや、ここは王道にワンコ系攻めとツンデレ受けなの。って、ツンデレはどうしているのかしら?

「わかった。私もその報告を聞きたいのだが」

「もちろんです、殿下。首謀者はあの大臣であることがわかっているのですが、恐らく彼すら知らない何かが潜んでいる様子。報告書は後日殿下に」

「いや、私も同席させてくれ」

 その提案にぎょっと目を見開くジーニア。このスパダリ攻めは何を言っているのか。

「殿下。申し訳ありませんが、それはできません。騎士団として話を聞くからです。騎士団に所属していない殿下が同席なされば、この件を内密に進めることができなくなってしまう。騎士団として動いておりますが、それすら最低限、最小限の関係者で動いているのですよ。この件はあまり公にできない案件ですよね」
 何しろこの国の重鎮が関わっていて、仮にそいつが首謀者だとしたら。

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