BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに
4.
ジーニアが部屋に戻るまで付き添ってくれたのはグレアムだ。むしろ彼の隣にいるべき人間は自分ではないとジーニアは思っている。そんな彼の正当な相手であるジェレミーは今、ジーニアから聞いた話を報告書としてまとめているようだ。もちろん、ジーニアの名前は外部に漏れないようにして報告するらしい。
「ジーニア嬢、どうかされましたか? 傷口が痛みますか?」
ワンコ系攻めとツンデレ受けを考えていたジーニアであるが、隣にいる彼からツンは感じられなかった。もしかして、ジーニアがジェレミーの関係者だから、ツンな部分を隠しているのだろうか。むしろ、もっとツンツンしてくれても構わないのに、そして兄の前だけでデレてくれればいいのに、と、そんなくだらないことを考えていた矢先だった。
「あ、いえ。なんでもありません」
「そうですか。まだ、傷も治りきっていないのに、部屋から連れ出してしまって申し訳ありませんでした」
「いえ、グレアム様。大丈夫です。その、頭をあげてください」
突然立ち止まってピシッと腰から九十度に頭を下げたグレアムに、ジーニアは慌ててしまう。そのジーニアの動きはまるで小動物のよう。ふるふると手を振って、挙動不審な小動物。
「ジーニア嬢、どうかされましたか? 傷口が痛みますか?」
ワンコ系攻めとツンデレ受けを考えていたジーニアであるが、隣にいる彼からツンは感じられなかった。もしかして、ジーニアがジェレミーの関係者だから、ツンな部分を隠しているのだろうか。むしろ、もっとツンツンしてくれても構わないのに、そして兄の前だけでデレてくれればいいのに、と、そんなくだらないことを考えていた矢先だった。
「あ、いえ。なんでもありません」
「そうですか。まだ、傷も治りきっていないのに、部屋から連れ出してしまって申し訳ありませんでした」
「いえ、グレアム様。大丈夫です。その、頭をあげてください」
突然立ち止まってピシッと腰から九十度に頭を下げたグレアムに、ジーニアは慌ててしまう。そのジーニアの動きはまるで小動物のよう。ふるふると手を振って、挙動不審な小動物。