悪役令嬢のはずなのに!?〜いつのまにか溺愛ルートに入ってたみたいです〜
馬車を降り同乗してくれていたマリアに別れを告げると
「Aクラス」と書かれた地図を広げた。
入学の1ヶ月に基礎力診断テストがあり
内容は算数や知育に関する問題でもちろん私は全問正解した。
・・中身大人だからね。
その後届いた結果発表と一緒にこの地図が入っていた。
ライトロード学園の敷地内には5つの建物が並び
A棟・B棟・C棟・D棟・E棟と呼ばれる。
このAからEは成績によってランク付けされ
Aクラスが最も優秀とされている。
個々人の成績の評価によって分けられるため
人数に統一性はなくCクラスが最も多くAクラスが最も少ない。
クラスは学年ごとにも分かれるので
1つの建物内に7クラスが存在する。
学園内や魔法学院内は王国直轄の騎士が配置され
部外者の立ち入りを厳重に禁止しているため
執事や護衛騎士であっても一緒に連れては行けない。
(王族の護衛騎士だけは例外だけど)
そのため、王族の入学時には高位の令息が
側につき従者の役割を担う。
今代の従者はレオンであり
レオンは産まれた時からシリウスの
従者となるための教育を受けている。
周りより大人びて見えるのはそのためだろう。
Aクラスは広い噴水の先にお城のように聳え立っていた。
指定された場所に向かうと
宮殿のようなホールにたどりついた。
中に入ると学年ごとに椅子が並べられ
案内に記載された自分の席に着く。
席は高位順に並んでおり
一列目に向かうと二人の男の子がいた。
予想していた通り、
シリウスとレオンもAクラスだった。
「お久しぶりでございます。殿下、グランデ様」
カーテシーで挨拶をかわす。
「久しぶりだね。クラウド嬢。」
シリウスが笑顔で返してくれた。
「お久しぶりです」
レオンも笑顔はないが優しく返してくれた。
「!」
シリウスがレオンを見て目を見開いた。
「二人はいつの間に仲良くなったんだい?」
「え?」
「いや、レオ・・」
シリウスが何かを言いかけた所でレオンが言葉を遮る
「ガーデンパーティー以来だ」
「・・・」
しばらく
シリウスとレオンは視線をぶつけていた。
ふいに、
ざわざわとしていた周りの声が
後方でより一層大きくなった。
振り返り、
声のする方へ顔を向けると
白銀をキラキラ揺らし、
この世のものとは思えない
美貌の男の子が
微笑みながら近づいてきた。
胸のラインは橙。一学年上のAクラスだ。
「ティアナ」
妖艶な声に
一斉に周りが振り返る。
「久しぶりだね。」
シリルの言葉に、
シリウスは目を見開き
レオンも無表情だが瞳は大きくなっている。
「クライン様、
お久しぶりです。」
私の言葉にシリルは微笑む。
クロウド家はギルを跡継ぎにと考えているが
まだ公表していないため現在は私が第一跡継ぎ候補となる。
シリルは公爵家の令息だが
歳の離れた兄がいて跡継ぎは長男だと公表されいる。
そのため、シリルの方が一年先輩だが
今は私やレオンの方が立場が上となる。
「あ、えっと・・
久しぶりだね。シリル殿」
シリウスが喋りかけたが
チラッと目線を移しただけで返事はない。
(え!無視!?王子に挨拶させといて無視!?)
チラッとシリウスの後方に控える護衛騎士を見る。
剣に手をかけこちらの様子を伺っている。
(嫌な汗がでてきた・・)
「クライン。
殿下とクロウド様に対し
失礼ではないか?」
レオンがシリルに凍るような鋭い目を向ける。
たぶん、クラインと"呼び捨て"にしたのは
次期公爵候補から外れているシリルへの嫌味と
"立場をわきまえろ"の比喩表現だ。
シリルもレオンに目を向けるが口は開かない。
(この二人って仲悪いんだっけ!?)
心配になっておろおろと
シリル、レオン、シリウス、護衛騎士と
騒がしく目を動かしていると
ちらっとこっちを見たシリルが
「ふっ。可愛いね。」と、また微笑んだ。
「!」
ストレートな言葉に顔が赤くなる
レオンが苦虫を噛み潰したような
表情になったのを見届けて、
シリルはその場を離れ席についた。
「クロウド嬢は
シリルとも仲が良いのかい?」
「Aクラス」と書かれた地図を広げた。
入学の1ヶ月に基礎力診断テストがあり
内容は算数や知育に関する問題でもちろん私は全問正解した。
・・中身大人だからね。
その後届いた結果発表と一緒にこの地図が入っていた。
ライトロード学園の敷地内には5つの建物が並び
A棟・B棟・C棟・D棟・E棟と呼ばれる。
このAからEは成績によってランク付けされ
Aクラスが最も優秀とされている。
個々人の成績の評価によって分けられるため
人数に統一性はなくCクラスが最も多くAクラスが最も少ない。
クラスは学年ごとにも分かれるので
1つの建物内に7クラスが存在する。
学園内や魔法学院内は王国直轄の騎士が配置され
部外者の立ち入りを厳重に禁止しているため
執事や護衛騎士であっても一緒に連れては行けない。
(王族の護衛騎士だけは例外だけど)
そのため、王族の入学時には高位の令息が
側につき従者の役割を担う。
今代の従者はレオンであり
レオンは産まれた時からシリウスの
従者となるための教育を受けている。
周りより大人びて見えるのはそのためだろう。
Aクラスは広い噴水の先にお城のように聳え立っていた。
指定された場所に向かうと
宮殿のようなホールにたどりついた。
中に入ると学年ごとに椅子が並べられ
案内に記載された自分の席に着く。
席は高位順に並んでおり
一列目に向かうと二人の男の子がいた。
予想していた通り、
シリウスとレオンもAクラスだった。
「お久しぶりでございます。殿下、グランデ様」
カーテシーで挨拶をかわす。
「久しぶりだね。クラウド嬢。」
シリウスが笑顔で返してくれた。
「お久しぶりです」
レオンも笑顔はないが優しく返してくれた。
「!」
シリウスがレオンを見て目を見開いた。
「二人はいつの間に仲良くなったんだい?」
「え?」
「いや、レオ・・」
シリウスが何かを言いかけた所でレオンが言葉を遮る
「ガーデンパーティー以来だ」
「・・・」
しばらく
シリウスとレオンは視線をぶつけていた。
ふいに、
ざわざわとしていた周りの声が
後方でより一層大きくなった。
振り返り、
声のする方へ顔を向けると
白銀をキラキラ揺らし、
この世のものとは思えない
美貌の男の子が
微笑みながら近づいてきた。
胸のラインは橙。一学年上のAクラスだ。
「ティアナ」
妖艶な声に
一斉に周りが振り返る。
「久しぶりだね。」
シリルの言葉に、
シリウスは目を見開き
レオンも無表情だが瞳は大きくなっている。
「クライン様、
お久しぶりです。」
私の言葉にシリルは微笑む。
クロウド家はギルを跡継ぎにと考えているが
まだ公表していないため現在は私が第一跡継ぎ候補となる。
シリルは公爵家の令息だが
歳の離れた兄がいて跡継ぎは長男だと公表されいる。
そのため、シリルの方が一年先輩だが
今は私やレオンの方が立場が上となる。
「あ、えっと・・
久しぶりだね。シリル殿」
シリウスが喋りかけたが
チラッと目線を移しただけで返事はない。
(え!無視!?王子に挨拶させといて無視!?)
チラッとシリウスの後方に控える護衛騎士を見る。
剣に手をかけこちらの様子を伺っている。
(嫌な汗がでてきた・・)
「クライン。
殿下とクロウド様に対し
失礼ではないか?」
レオンがシリルに凍るような鋭い目を向ける。
たぶん、クラインと"呼び捨て"にしたのは
次期公爵候補から外れているシリルへの嫌味と
"立場をわきまえろ"の比喩表現だ。
シリルもレオンに目を向けるが口は開かない。
(この二人って仲悪いんだっけ!?)
心配になっておろおろと
シリル、レオン、シリウス、護衛騎士と
騒がしく目を動かしていると
ちらっとこっちを見たシリルが
「ふっ。可愛いね。」と、また微笑んだ。
「!」
ストレートな言葉に顔が赤くなる
レオンが苦虫を噛み潰したような
表情になったのを見届けて、
シリルはその場を離れ席についた。
「クロウド嬢は
シリルとも仲が良いのかい?」