悪役令嬢のはずなのに!?〜いつのまにか溺愛ルートに入ってたみたいです〜
新入生代表の挨拶はシリウスがつとめた。
女生徒は皆、
うっとりした様にシリウスを見つめていた。


入学式を終えると教室に案内された。
Aクラスは10人にも満たなかった。

クラスの席は高位貴族順に並び
2学年までは全員同じ授業を受ける。
3学年から選択式となり
自分で学びたい授業を選び単位を取得する
大学に近い仕組みだ。
ただし、4学年までは選択科目より必須科目が多い。

最上位貴族に位置し席が近い私達は
グループを組むことも多くなり
仲良くなるのに時間はかからなかった。


シリウスとレオンは
早くから大人の世界で育ち
城の会議に参加したり
政治にも関わったりしていて
前世大人の私とよく話が合った。

シリルは十数人ほどの人数のクラスだが
必要最低限の会話しかしていないみたいで
時間ができるたびに私達のクラスに居すわった。

最初は無視していたシリウスやレオンにも
あまり喋らないが言葉使いは軽くなり
返事は返すようになった。

学院が休みの日は
お互いの家に行き来する事も増え、
最初にクロウド家に呼んだ時は
ギルの見た目に驚いてはいたが
すぐに分け隔てなく接してくれ、
キースやギルを含めた
六人で過ごすことが多くなった。

皆と遊ぶようになったことで
ギルはパーティーにも参加するようになった。

軽蔑の目を向けられる事はあるが、
王子や公爵に表立って喧嘩を売れる人はおらず
差別したり手を出してくる人はいなかった。

勉強をしたりお茶をしたり草原に転がったり
時間があれば皆で一緒に過ごした。

(これが幼なじみって言うのかな。)



・・・ただ、ここは日本ではなくゲームの世界。

ある日、
私はシリウスの婚約者に選ばれた。
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