悪役令嬢のはずなのに!?〜いつのまにか溺愛ルートに入ってたみたいです〜
1週間ほど前
遠い親族の家から一人息子を預かると聞いた時、
初めてできる弟の存在にティアナは浮き足立った。
弟ができると知り興奮するティアナの頭に
「変わった色を持つ子なんだ」
続けて伝えられた父の言葉は届いていなかった。
母は一人目の子供である
ティアナを産んですぐに亡くなった。
公爵位である父には跡取りが必要となる。
年々、再婚の話はどんどん強くなるが
母を愛する父に再婚の意思はなかった。
そこで浮かび上がったのが養子縁組。
この国、ライトロード王国は
最高位貴族に王族を支える三大公爵が君臨する。
知に富み王の頭脳として支える宰相"グランデ"
莫大な富を持ち世界中の行商を束ねる外交官"クライン"
膨大な魔力を持ち王を守る盾となる魔法騎士"クロウド"
ティアナの家紋は魔法騎士を司るクロウド家だ。
王族と上位貴族は生まれながらに高い魔力を持つ。
特に魔法騎士であるクロウド家の
公爵を継ぐためには精霊との契約が必須となる。
代々黒い髪と黒い瞳を持つドントゥール家は
魔法の天才と呼ばれ精霊王の加護を得ていたが
黒い髪と黒い瞳は
魔獣を惹きつけるとして忌み嫌われていた。
その中で王国騎士団を束ねる父は実力を重視し
差別する事なくドントゥール家と懇意にしていた。
ドントゥール家には三人の男児がおり
次男と7歳以上歳が離れた末っ子は妾との子供である。
黒い髪に紫の瞳をもつ長男次男と違い、
末っ子は黒い髪に黒い瞳をもっていた。
生まれた時から人並外れた魔力を宿す末っ子が
養子縁組の候補に上がるのに時間はかからなかった。
「ティア、目覚めたかい?」
ふかふかの寝具の中で目を覚ますと
優しい瞳で語りかける父の姿があった。
「お父様・・」
起きあがろうとするとそっと背中に手を添え
コップに汲んだ水を渡してくれた。
「暑かったからね。
太陽の光を浴びすぎちゃったかな?」
黙って思案する私に父が優しく話しかける
「それとも、ギルベルトの姿に驚いた?」
はっと顔をあげて父を見る。
「違います!」
父は安心した笑顔を見せた。
「林檎は食べられそうかい?」
私はうなずく。
「少し待ってて」
父は頭を優しくなでて部屋をでていった。
遠い親族の家から一人息子を預かると聞いた時、
初めてできる弟の存在にティアナは浮き足立った。
弟ができると知り興奮するティアナの頭に
「変わった色を持つ子なんだ」
続けて伝えられた父の言葉は届いていなかった。
母は一人目の子供である
ティアナを産んですぐに亡くなった。
公爵位である父には跡取りが必要となる。
年々、再婚の話はどんどん強くなるが
母を愛する父に再婚の意思はなかった。
そこで浮かび上がったのが養子縁組。
この国、ライトロード王国は
最高位貴族に王族を支える三大公爵が君臨する。
知に富み王の頭脳として支える宰相"グランデ"
莫大な富を持ち世界中の行商を束ねる外交官"クライン"
膨大な魔力を持ち王を守る盾となる魔法騎士"クロウド"
ティアナの家紋は魔法騎士を司るクロウド家だ。
王族と上位貴族は生まれながらに高い魔力を持つ。
特に魔法騎士であるクロウド家の
公爵を継ぐためには精霊との契約が必須となる。
代々黒い髪と黒い瞳を持つドントゥール家は
魔法の天才と呼ばれ精霊王の加護を得ていたが
黒い髪と黒い瞳は
魔獣を惹きつけるとして忌み嫌われていた。
その中で王国騎士団を束ねる父は実力を重視し
差別する事なくドントゥール家と懇意にしていた。
ドントゥール家には三人の男児がおり
次男と7歳以上歳が離れた末っ子は妾との子供である。
黒い髪に紫の瞳をもつ長男次男と違い、
末っ子は黒い髪に黒い瞳をもっていた。
生まれた時から人並外れた魔力を宿す末っ子が
養子縁組の候補に上がるのに時間はかからなかった。
「ティア、目覚めたかい?」
ふかふかの寝具の中で目を覚ますと
優しい瞳で語りかける父の姿があった。
「お父様・・」
起きあがろうとするとそっと背中に手を添え
コップに汲んだ水を渡してくれた。
「暑かったからね。
太陽の光を浴びすぎちゃったかな?」
黙って思案する私に父が優しく話しかける
「それとも、ギルベルトの姿に驚いた?」
はっと顔をあげて父を見る。
「違います!」
父は安心した笑顔を見せた。
「林檎は食べられそうかい?」
私はうなずく。
「少し待ってて」
父は頭を優しくなでて部屋をでていった。