私が元カレにしたささやかな復讐

私とレティシアがバス停からバスに乗ると、二つほど先のバス停でヤーサーは乗ってくる。その際に「おはよう」と挨拶を交わした後、ヤーサーは私のすぐ後ろか真横にぴったりとくっついてくるのだ。

（えっ、何でこんなに引っ付いてくるん？）

その時、私の頭の中には家族と見ていた警察のドキュメンタリー番組が浮かんだ。その番組の中で、電車で痴漢をして逮捕されたおじさんの話があったのだ。その痴漢と全く同じ距離だったため、恐怖しかなかった。

ヤーサーは話しかけてくることはなく、ただ私にぴったりと引っ付きながらスマホを触っている。それがとても怖くて、私は吐き気を覚え、恐怖のあまり過呼吸を起こしそうになっていた。

その頃、ヤーサーから送られてくるLINEやかかってくる電話も辛く感じるようになった。彼からのLINEや電話はとにかく長い！自分の言いたいことだけペラペラ話す。私が話す隙を与えないくらい。だから、もう眠くて電話を切りたいと思っても言えず、伝えてもヤーサーはまだ話し続けていた。