私が元カレにしたささやかな復讐
「二人分のチケット代とドリンクとポップコーンの代金、そんなに変わらないから全部奢ってもらうのとか申し訳ない」

レティシアはそう言って払ってくれるし、私が奢ることになったら必ずお礼を言ってくれる。だからこそ、モヤモヤした気持ちになったしまった。

それからも、テーマパークへ一緒に遊びに行った時に私が二人分の入場料を払った時にも返してもらえず、イオンモールでスタバに入ってフラペチーノを買うことになった時にヤーサーは私に払わせようとしたり、モヤモヤすることが増えた。

(こいつ、高校生だった頃よりダメンズになってね?)

そんなことを思い、レティシアやマディソンに愚痴ることが増えた。そして一月、私たちは成人式を迎えた。

綺麗な振袖を着て会場でレティシアたちと会い、ヤーサーとも少しだけ話した。その夜にヤーサーから電話がかかってきた。

(えっ、もう寝たいんやけど……)

女の子はヘアメイクや着付けのため、朝は早く起きなきゃいけない。私も四時に起きたためすごく眠たかったのだが、電話は鳴り止まないため出ることにした。
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