私が元カレにしたささやかな復讐
「ヤーサー、エイミーと付き合うかイザベラと付き合うか悩んでたみたいだけど、イザベラと付き合うことに決めたらしい」

レティシアからそう言われた時、私は「そっか」とだけ言った。イザベラは私よりもずっと可愛いし、華奢で男性なら守ってあげたくなるような人に見えるだろう。当時は仕方ないと思っていた。今思えば、どっちと付き合うか天秤にかけていたなんて最低だと思うけど。

何度か恋をすることはあったけどその度に失恋してきたため、大泣きをしたりすることはなかった。好きだけど、半ば諦めていたから……。

そして月日は流れ、私たちは二年生になった。二年生になると私たちの高校では、専門的な分野の中から好きなものを選んで学ぶことができる。私は介護福祉を、レティシアは英語を、ヤーサーとイザベラはコンピュータをそれぞれ選び、専門的な授業が始まった。

だがしばらくすると、ヤーサーから「カラオケ一緒に行かへん?」とよく誘われるようになった。イザベラをデートに誘っても断られているらしい。ヤーサーとイザベラが選択した分野は資格を一番取れるため、勉強が大変なのだ。
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