激情を秘めた警察官はウブな令嬢を娶り溶かす~1年で婚約破棄するはずが、敏腕SPの溺愛が止まりません~
デパートを出て、車で十五分ほどで次の目的地に着いた。
「ここだよ。大学時代の友人が経営しているんだ」
車を降りたわたしは、白を基調としたおしゃれな店をぽかんと見上げる。
着いた先は、有名なデートスポットだった。
「ここって、アクアリウムで人気のレストラン……?」
「来た事あるの?」
「来たことはないけど、テレビや雑誌で何度も特集されてたのを見たことがあって、知ってる。ぜんぜん予約がとれないって聞いたばかりだよ」
店内は照明を落とされていて落ち着いた雰囲気に、壁面にある水槽が淡く光ってとても幻想的だ。珊瑚のまわりを、色とりどりの熱帯魚がひらひらと泳ぐ。
「わぁ、すごい。かわいい」
ウエイターが、水槽が一番よく見える席へと案内してくれる。
特等席だ。
「気に入ってくれた?」
「もちろん! うれしい。いつか大切な人ができたら、ここで特別な日を過ごせたらいいなって、すごく憧れてたの……わぁ、ほんとに素敵……」
ぼーっと水槽に見入っていると、慧さんが意味深な視線で咎めた。
「誰と来ることを想像してたの? いまの彼氏は俺なんだけどな」
「え、あ……やだな、ただの妄想なんだから」
顔を赤くして口を噤む。
(そうだった。慧さんは彼氏なんだ……)
婚約者って響きより、彼氏という響きの方がなんとなく気恥ずかしい。
モジモジとしたわたしに、慧さんは満足げにした。
「喜んでもらえてうれしいよ。連れてきた甲斐があった」
「すごくきれい。ありがとう」
店内を見回していると、また自分たち以外に誰もいないことに気が付く。
(もしかして……)
はっと閃いたとき、店の奥からコック服に身を包んだ男性がでてきた。すらっとした高身長。明るく染めた髪を後ろに流しコック帽をかぶる姿はとてもスマートだ。
「いらっしゃいませ。Mare di noteにようこそ」
爽やかに微笑まれ、わたしも会釈を返した。
「ここだよ。大学時代の友人が経営しているんだ」
車を降りたわたしは、白を基調としたおしゃれな店をぽかんと見上げる。
着いた先は、有名なデートスポットだった。
「ここって、アクアリウムで人気のレストラン……?」
「来た事あるの?」
「来たことはないけど、テレビや雑誌で何度も特集されてたのを見たことがあって、知ってる。ぜんぜん予約がとれないって聞いたばかりだよ」
店内は照明を落とされていて落ち着いた雰囲気に、壁面にある水槽が淡く光ってとても幻想的だ。珊瑚のまわりを、色とりどりの熱帯魚がひらひらと泳ぐ。
「わぁ、すごい。かわいい」
ウエイターが、水槽が一番よく見える席へと案内してくれる。
特等席だ。
「気に入ってくれた?」
「もちろん! うれしい。いつか大切な人ができたら、ここで特別な日を過ごせたらいいなって、すごく憧れてたの……わぁ、ほんとに素敵……」
ぼーっと水槽に見入っていると、慧さんが意味深な視線で咎めた。
「誰と来ることを想像してたの? いまの彼氏は俺なんだけどな」
「え、あ……やだな、ただの妄想なんだから」
顔を赤くして口を噤む。
(そうだった。慧さんは彼氏なんだ……)
婚約者って響きより、彼氏という響きの方がなんとなく気恥ずかしい。
モジモジとしたわたしに、慧さんは満足げにした。
「喜んでもらえてうれしいよ。連れてきた甲斐があった」
「すごくきれい。ありがとう」
店内を見回していると、また自分たち以外に誰もいないことに気が付く。
(もしかして……)
はっと閃いたとき、店の奥からコック服に身を包んだ男性がでてきた。すらっとした高身長。明るく染めた髪を後ろに流しコック帽をかぶる姿はとてもスマートだ。
「いらっしゃいませ。Mare di noteにようこそ」
爽やかに微笑まれ、わたしも会釈を返した。