激情を秘めた警察官はウブな令嬢を娶り溶かす~1年で婚約破棄するはずが、敏腕SPの溺愛が止まりません~
パタパタと足音が聞こえた。

「慧、詩乃ちゃんごめんなさい!」

警察とのやりとりを終えて戻ってきた桐生さんが駆けつけて、拝むように手を合わせて謝った。

「慧に、裏口の施錠を忘れるなって何度も言われていたんだけど、搬入作業のあとに忘れてしまったスタッフがいて……
そこから侵入したらしいんだ。こんなことになって申し訳ない」

「それも、詳しい事情を話さずにお願いしかしていなかった俺の落ち度だ。この件が店に影響なければいいんだが」

「ストーカーが居るだなんて、言いたくないでしょ。こんなことが起こるだなんて想像もできなかったし。
店は大丈夫。貸し切りでスタッフも必要最低限だったし、警察も覆面車両で来てくれたでしょ。この話が広まるようなことはないよ」

そっか。パトカーを呼ばないでくれと伝えていたのは、お店の為だったんだ。
女性警官も呼んでくれたのも、わたしを気遣ってのことだ。

(迷惑しかかけてないのに、優しすぎるよ……)

「とりあえず今日は休もう。家まで送るよ」

慧さんの手が今日のデートの終わりを告げるように、肩をぽんぽんと叩いた。

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