激情を秘めた警察官はウブな令嬢を娶り溶かす~1年で婚約破棄するはずが、敏腕SPの溺愛が止まりません~
慧side
どうして、キスだけで終われると思ったのだろう。
あまりにも無防備だから、ちょっと男として意識させてやろうとしただけなのに、見事に理性は崩壊していた。
でももう限界だった。
いままで欲しくてたまらないと思っていた。ずっと我慢して、昨夜だってどれほど耐えたと思っているんだ。
「は、あ、んむ……」
「ーーーー詩乃、逃げるな」
反らした顔を振り向かせて、甘い唇を貪った。
恥ずかしそうにはするが、嫌がっていない。
戸惑いながらも背中に回された手に、欲が膨れ上がる。
頬を赤らめて、一生懸命応えようとする彼女はなんて可愛らしいのだろう。
そっと触れただけで吸い付くような滑らかな肌に、夢中になってキスをふらせた。
(堪らないな……)
「詩乃……詩乃」
自分は獣のようだ。
怖がらせたくなどないのに、もっともっとと求めてしまう。
「け、い……さ……」
吐息の合間に名前を呼ばれると、嬉しくて、愛おしくてたまらなくなる。
あっという間に乱れて、ふたりでベッドへと沈む。
(やっと手に入れた)
(ずっと、俺が守るから)
彼女の声が枯れるほど、延々と愛し続けた。