激情を秘めた警察官はウブな令嬢を娶り溶かす~1年で婚約破棄するはずが、敏腕SPの溺愛が止まりません~
「あっ……いたっ。ど、どうしたの?」
「どうしもしない。入学式で初めて詩乃に会ってから、ずっとずっと好きだった。
詩乃はわたしの天使。詩乃はわたしの宝物。わたしなら何があってもぜったいに離れない。だからあんな男とは今すぐ別れて。詩乃が他の男に穢されるなんて耐えられない」
「ーーーー好き? 理央がわたしを?」
入学式で偶然出会ってから、ずっと一緒だった。
とても気があって、話しやすくて、大学もプライベートも常にふたりで過ごした。会わない日はないほどの時をすごして、今までで一番の特別な親友ができたと思っていた。
スキンシップの多さと時折告げられる告白は、友人としてのものだと思っていたのに。
「わたしは詩乃を愛しているの。わたしたち両思いだったじゃない。それなのに、どうして裏切ったの? どうしてあんな男と――――」
ベッドに押し倒され、理央の手が首にかかる。
首を絞められると思い、本能的に叫んだ。
「きゃあああっ‼」
ぎゅっと目を瞑ったところで、入口の扉が開いた。
「そこまでだ!」
スーツ姿の慧さんに、警察の制服を着た人たち。それにお父さんとお母さんまでいる。
みんなは一斉に部屋に踏み込んだ。
何が起こっているのかさっぱりわからなかった。
慧さんは仕事のはずではなかったのか。
「あ、梧桐っ……なんでここに」
理央は焦っていた。慧さんを呼び捨てにしたことに、違和感を覚える。
理央の手が緩んだ。その隙に突き飛ばし、慧さんの元へと走る。
理央は手を伸ばすが、すんででそれを避けた。
「詩乃! いかないで!」
悲壮な表情の理央が視界の端にはいる。
わたしも戸惑っていた。申し訳ないと思いつつも、慧さんに飛びつく。
「慧さんっ!」
「詩乃っ」
慧さんは以前と変わらず、力強く抱きしめてくれた。
やっぱり腕の中は安心できる。
「ど、どうしてここに……」
戸惑うわたしをよそに、警官があっという間に理央を拘束する。
すると理央が豹変した。
「やめろっ離せっ! 梧桐! 詩乃に触るな! 僕の詩乃だぞ! 詩乃っそんな男から離れろっ僕を裏切るな! 詩乃をずっと守っていたのは僕だっ」
はっと息をのむ。
(”僕“……?)
聞き覚えのある単語だ。
ホテルで見た、手紙の赤い文字。
今まで、たくさん届いた手紙と同じ表現だ。
「まさか……」
その閃きに、全身が震えだす。
「あの手紙……」
血の気が引く。
わたしの呟きに、理央は顔を歪めて笑った。
「ラブレターだよ。僕の気も知らないで、浮かれた写真なんか送ってくるから。
裏切り者。ホテルは楽しかった?」
恨みがましい目をむけられたのは初めてだった。
「どうしもしない。入学式で初めて詩乃に会ってから、ずっとずっと好きだった。
詩乃はわたしの天使。詩乃はわたしの宝物。わたしなら何があってもぜったいに離れない。だからあんな男とは今すぐ別れて。詩乃が他の男に穢されるなんて耐えられない」
「ーーーー好き? 理央がわたしを?」
入学式で偶然出会ってから、ずっと一緒だった。
とても気があって、話しやすくて、大学もプライベートも常にふたりで過ごした。会わない日はないほどの時をすごして、今までで一番の特別な親友ができたと思っていた。
スキンシップの多さと時折告げられる告白は、友人としてのものだと思っていたのに。
「わたしは詩乃を愛しているの。わたしたち両思いだったじゃない。それなのに、どうして裏切ったの? どうしてあんな男と――――」
ベッドに押し倒され、理央の手が首にかかる。
首を絞められると思い、本能的に叫んだ。
「きゃあああっ‼」
ぎゅっと目を瞑ったところで、入口の扉が開いた。
「そこまでだ!」
スーツ姿の慧さんに、警察の制服を着た人たち。それにお父さんとお母さんまでいる。
みんなは一斉に部屋に踏み込んだ。
何が起こっているのかさっぱりわからなかった。
慧さんは仕事のはずではなかったのか。
「あ、梧桐っ……なんでここに」
理央は焦っていた。慧さんを呼び捨てにしたことに、違和感を覚える。
理央の手が緩んだ。その隙に突き飛ばし、慧さんの元へと走る。
理央は手を伸ばすが、すんででそれを避けた。
「詩乃! いかないで!」
悲壮な表情の理央が視界の端にはいる。
わたしも戸惑っていた。申し訳ないと思いつつも、慧さんに飛びつく。
「慧さんっ!」
「詩乃っ」
慧さんは以前と変わらず、力強く抱きしめてくれた。
やっぱり腕の中は安心できる。
「ど、どうしてここに……」
戸惑うわたしをよそに、警官があっという間に理央を拘束する。
すると理央が豹変した。
「やめろっ離せっ! 梧桐! 詩乃に触るな! 僕の詩乃だぞ! 詩乃っそんな男から離れろっ僕を裏切るな! 詩乃をずっと守っていたのは僕だっ」
はっと息をのむ。
(”僕“……?)
聞き覚えのある単語だ。
ホテルで見た、手紙の赤い文字。
今まで、たくさん届いた手紙と同じ表現だ。
「まさか……」
その閃きに、全身が震えだす。
「あの手紙……」
血の気が引く。
わたしの呟きに、理央は顔を歪めて笑った。
「ラブレターだよ。僕の気も知らないで、浮かれた写真なんか送ってくるから。
裏切り者。ホテルは楽しかった?」
恨みがましい目をむけられたのは初めてだった。