ねぇ…俺だけを見て?
「━━━━一緒に寝ない?」
「へ!?」

マンションに帰り、お互い風呂に入って寝ようということになった二人。
煜馬がベッドルームに入るなり、史依に微笑んで言った。

「俺のダブルだから、二人寝れるよ!」
「う、うん…/////」

(寝るってことは……そうゆうことだよね……?/////)

ベッドに横になった煜馬は、両手を広げて“おいで?”と微笑んだ。

ゆっくりベッドに入り、煜馬の腕の中に収まる。
腕の中から、煜馬を見上げた。

「フフ…フミ、可愛い…!」
優しく頭を撫でる。

(ヤ、ヤバい…/////緊張してきた…/////
初めてでもないのに、なんでこんな緊張すんの私/////)

「ん?フミ?どうした?」
「え?あ、う、う、ううん!」

「寝ようか?
頭撫でててやるから、寝な?」
「え?」
「え?って?」

「あ、いや…////」
(し、しないの~
…………って、私は何を!?//////)

「フミ?」
「う、ううん!おやすみなさい!」
「ん。おやすみ!」

(は、恥ずかしすぎる…/////)
ギュッと目を瞑った史依。

悶々と考える。
(え?でも待って!
そもそも、私に魅力がないとか?
いやいや…とはいっても私達、お見合いが三ヶ月前で何回かしか会ってないもんな…
しかも、政略結婚だし……
よし!いい風に考えよう!
煜馬さんが、私のことを大切に考えてくれてるんだ!)

一方の、煜馬。
史依の頭を撫でながら、悶々と考えていた。
(口唇、柔らかかったなぁ……またしたいな…
またする?
いやいや、たぶん…キスだけじゃ終わらなくなるだろうし……
いくら、気持ちが通じ合ったからってがっついてるみたいだしな……我慢、我慢…!!)

史依を抱き締めて眠りたいと思い誘ったのは良いが、欲が溢れそうになっていた。

(つか、俺………
我慢できんの……?
こんな風に腕の中にフミがいたら………
やっぱ、別々に寝る?
…………でも今更、離したくねぇ…)



二人はお互いに悶々と考え、眠りについた。
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