ねぇ…俺だけを見て?
煙草の件は、なんとか解決した。

が!
まだ、あの事が気にかかる。

風呂に入り、身体を拭いた史依。
「よし!」

気合いを入れ、ショートパンツのパジャマを着た。
以前から一人暮らしの時は着ていたのだが、さすがに煜馬の前では恥ずかしくて着れなかったのだ。

「これ、丈短いからなぁー
はいてないように見えるんだよなぁ。
ま、いいよね!」

見方によっては、ミニワンピのパジャマに見えるのだ。

史依は、早速ベッドルームに向かった。


「煜馬さん、お待たせ!寝よう!」
「おかえり!今日の風呂、遅かっ━━━━━え……/////」

(な、なんだ、この格好……!!!?
エロッ…!?/////
え?え?下はいてる?
てか、俺……誘われてんの!?)
固まる煜馬。

(え?固まってる……
ど、どうしよう……退いてる?
ちょっと…やり過ぎ、ちゃった……!?)
史依も、固まる。

(ヤバい…フミのこんな可愛い格好見たら、止まんねぇ……
でももし、ここで襲って“そんなはずじゃなかった”って嫌われたら、生きていけねぇし……
抑えろ!!俺!理性、理性!)
「…………可愛いね、そのパジャマ!」
煜馬はできるだけ冷静に、微笑み言った。

「え?あ、うん////
だ、だいぶ暖かくなってきたから!」
「そっか!
寝よう、フミ!おいで?」

いつものように横になり、両手を広げる煜馬。
史依は、その腕の中に収まった。
ゆっくり煜馬の大きな手が、頭を上下する。

(何もない……
やっぱ、私……魅力ないんだ……
結構、胸は大きいんだけどな!
…………って、そうじゃないだろ!
あーもーいい!寝よ寝よ!)

ギュッと目を瞑り、眠りについたのだった。


「フミ?寝た?
………寝た…かな?
……ったく…無自覚な嫁は困るな…
あー、抱きてぇー!!
でも、嫌われたくねぇし!」

別に決まりがあるわけではない。
まだ、告白して二週間。

史依みたいなタイプは、もう少しあけないと……
本気で史依を好きになった今。
大切にしたい。

でも本当は……欲望のままフミを貪りつくしたい。
抱き合って、繋がって、ひとつになりたい。


煜馬は、ゆっくり史依の首の下から腕を抜きベッドルームを出た。
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