ねぇ…俺だけを見て?
次の日━━━━煜馬は仕事は休みなので、朝はゆっくりだ。
煜馬は、朝から襲ってやろうかと画策していた。

しかし━━━━━━

「おはよ、フミ」
「あ…おはよ、う……」
史依の元気がない。

「フミ?どうした?体調悪い?」
腕の中で、顔色の悪い史依の頬を撫でる。

「少し……ちょっと、お手洗い…」


ベッドルームを出た史依がなかなか戻ってこない。
煜馬がトイレに向かうと、トイレ前でうずくまっていた。
「フミ!!?大丈夫!!?」
慌てて駆け寄る。

「うん…病気じゃないから、大丈夫だよ」
「は?どう見ても、おかしいだろ!!?」
あまりの心配で、声を張り上げてしまう。

「煜馬さん、ほんとだよ。
その…生理…だから……」

「え?あ、な、なんだ…そっか……」
「うん。私、かなり重たくて……
それで、悪いんだけど朝ごはん……」

「わかってる。俺がする!
フミは、休んでて?
あと、着替えなっ!
温かくしてた方がいいだろ?」
「そうだね…(笑)」

「それに、我慢できなくなるし……」
「え?」
「………」
「煜馬さん?」

「フミのこんな格好……理性保つの大変なんだからな!
次、こんな格好したら襲うから!」

「へ?」

「俺、本気で好きっつったよな?
好きな女がこんな可愛い格好してたら、襲いたくなるに決まってる。
でも、フミに嫌われたくなくて必死に抑えてたんだ」

「そう…だったんだ……」

「だから!生理、終わったら覚えておいてね!」

「え?」

「もう、我慢しないから!」
そう言って煜馬は、史依を軽々と抱き上げた。


━━━━━着替えてソファに横になっている史依と、ソファ下のカーペットにあぐらをかいて座り、史依の腹の辺りをさすっている煜馬。

「煜馬さんに撫でてもらってると、痛みが落ち着く………」
「そう?良かった…!じゃあ…ずっとこうしてるね…!
ずっと傍にいるからな!」
「ありがとう…」

「フミ、なんか食べる?」
「ううん…いらない」
「でも食べないと……いつもこうゆう時は、何食ってんの?」
「おうどん」

「ん。じゃあ、作るね」
「でも、悪いし…
煜馬さん、今日お休みの日なのに……」

「でも、これが“夫婦”だろ?」

頭をポンポンと撫で、微笑んだ煜馬だった。
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