ねぇ…俺だけを見て?
バサッと音がして、ソファに押し倒された史依。
煜馬に組み敷かれていた。

「ダメだよ、フミ」
「え……煜馬さ……」

「あんま可愛く煽られたら、生理中とか関係なく襲うよ?」

「え?あ……」

「わかった?
キスしたら、抱きたくなったの。
でも、今日は無理だろ?」

「うん…ごめんね……」



週末━━━━━━━

「━━━じゃあ、フミ。
行ってきます!」
そう言って頬にキスをした、煜馬。
そのまま耳に口唇を寄せた。

「今日、覚悟しててね……!」

嬉しそうに微笑んで、仕事に出かけて行く煜馬。

「声…色っぽすぎる…//////」

低くて、甘い声……
残された史依は、腰が抜けたようにへたり込んだのだった。


そして史依は、ランジェリーショップにいた。
「これ、可愛い~
で、でも…/////布、少なっ(笑)」
「これも、凄い…/////」

(………って、私何やってんだろ?)
「帰ろ…」

食材の買い物のついでにショップに入ってみたのはいいが、恥ずかしくなってきてそれどころではない。

「よし!パジャマを買って帰ろ!」
ナイトウェアのコーナーに向かった。


短パンの可愛らしいパジャマを購入し、夕食の準備をしながら煜馬の帰りを待つ。

「ただいま、フミー」
煜馬が帰ってきた。

いつもなら、パタパタとスリッパの音をさせて玄関まで駆けていく。
しかし今日は、あまりの恥ずかしさに身体が動かない。
いつもよりゆっくり出迎えに向かった。

「おかえりなさい、煜馬さん」
「……??フミ、おいで?」
いつものように両手を広げて待っている。

ゆっくり腕の中に向かった。
包み込まれるように抱き締められた。

「フフ…やっぱ、フミを抱き締めてるだけで幸せ……!」
「うん…」


「━━━━━おっ!今日も、スープ美味しそうだな!
着替えてくるなっ!」
頭をポンポンと撫でて、出ていく。

「や、ヤバい……緊張が……!」


煜馬が戻ってきて、スープを食べ始める。
史依は、なかなかスプーンが進まない。

「………」
「………」

「……フミ」
「…っへ!?な、何?」

「大丈夫だよ…?」
「え?」

「フミが嫌ならしない」

「え?え?」
「ごめんな。
俺が今朝“覚悟しててね”なんて言ったからからだよな?」
ゆっくり頭を撫でながら、切なく微笑む煜馬。

「煜馬さん!それは違っ━━━━━━」


「俺は、フミのこと大切にしたい。
だから、フミが大丈夫になったら言って?」
そして、頬にキスをした煜馬だった。

(違う!違うのにー!!)
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