ねぇ…俺だけを見て?
人気者
「━━━━じゃあ、フミ。行ってきます!」
「行ってらっしゃい、煜馬さん!」

頬にキスをした煜馬は、手を振り出ていく。
ガシャンとドアが閉まり、史依は余韻に浸っていた。


とても幸せな朝だった━━━━━

スマホのアラームがなる前に目が覚めると、煜馬も目を覚ましていて微笑んで見つめていた。

「あ…起きた…!おはよ、フミ」
「おはよ…煜馬さん…!」

「寝顔、可愛いな…!」
「もう…/////恥ずかしいよ…」
「フフ…可愛い…」

「煜馬さん…ちゃんと、寝た?」
「寝たよ」

「良かった…!
昨日の夜、幸せだったね!」
「あぁ、そうだな…!
フミ、今日も愛し合おうなっ!」

「へ!?」
「フフ…とぼけた顔してもダメ!
ずっと我慢してたから……
欲求が抑えられないんだ……!
ねぇ、フミ…受けとめてくれるよね?」

額をくっつけ、囁く煜馬。
史依は、顔を真っ赤にして何度も頷いた。


「はぁはぁ…煜馬さん、最強だ……!!/////」
しばらく玄関に座り込んで、思い出していた史依。
一人、興奮していた。



「━━━━パーティー?」
その日、煜馬が帰ってきて言ってきた。

「うん。来週末なんだけど、一緒に来て」
「ん。わかった!
なんか、奥様って感じだね(笑)」

「フフ…フミは、俺の奥様だろ?」

「あ、そうだ!
失礼しました!(笑)」
「いいえ!(笑)」


「あ、そうだ!
パーティー中は、俺から離れちゃダメだよ?
紳士ばっかだけど、フミは可愛いからきっと声をかけられると思うんだ」
「え?あ、うん。
でも、大丈夫だと思うよ?」

「大丈夫じゃないよ?
フミは、人気者だから…!
俺は、気が気じゃないんだ」
「うん…なんか、ごめんなさい……」

「ううん。フミが謝ることじゃない。
ヤキモチ妬いてるだけ……」
ソファ下のカーペットに座って、煜馬が史依を足の間に挟み後ろから抱き締めている状態の二人。

更に抱き締め、囁く煜馬。
史依は、思わず笑った。
「フフフ……」
(煜馬さん、可愛い…)

「あ、可愛いって言ったな!」
「え?私、声に出てた?」

「夜、覚えておけよ?」

「えーー(笑)」
< 24 / 29 >

この作品をシェア

pagetop