占い師はイケメン総長に愛される🌙.*˚
「バイク、乗ったことある?」
 どうやら、彼のバイクでどこかに行くらしい。
「ううん、ない」
 私は全力で首を振る。
 
 生まれて初めて乗るバイク。
 乗り心地はどんなんだろう。

 楽しいのかな?
 それとも、怖いかな?

 それよりも、何故私は彼に誘われたのか?
 とりあえず放課後、校門を出て歩く彼の後ろについて行った。歩いて五分ぐらいかな? 着いたのはマンション。エレベーターに乗り、五階で降りた。

「ここ、俺の家なんだけど、準備するから自由にして、待ってて?」

「あ、うん」
 言われるがままついていくと、いつの間にか彼の家の中へ。

 部屋全体を見渡した。
 とても綺麗で、シンプル。余計なものがひとつもない。

「部屋、綺麗だね?」
「ん? あぁ、一人暮らしだし、寝る時以外はあんまり家にいないからな」
 一人暮らしなんだ……。

 オシャレなソファーで座って待っていると彼が、着替えて出てきた。
「相田さんは、一回家に帰る?」
「いや、帰らなくても大丈夫かな?」
「じゃあ、ちょっと待ってて?」

 彼は着替えてた部屋に再び行き、すぐに戻ってきた。
「はい、これ貸す。これからの時間、バイクで走ってると風で体冷えるかもしれないから、乗る時、その半袖のブラウスの上に着といて?」
 受け取ったのは彼の薄手の黒いパーカーと、黒いジャージのズボン。
「あ、ありがとうございます」
 私は貸してくれたパーカーに袖を通し、ジャージも制服のスカートの下に履く。

 とても大きくて、小柄な私にはぶかぶか。
 彼の服を着ているのもなんだか不思議。

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