戦国武将織田信長の不器用な恋
それから信長は甘い雰囲気で「マミ、お前が好きだ」と毎日耳元で囁く。

のではなく、恥ずかしそうに小さい声で、言うのだ。

もう、信長様、可愛くて愛おしくて、ずっとここにいますって言っちゃいそうになった。

でも私は本当にここにいるしかないかも知れない。

そんなある日、生理が遅れていることに気づいた。

心配していたことが的中してしまった。

この時代はつわりの症状が現れて、ご懐妊って感じだろう。

検査薬などないし、えっ、このまま生んだらどうなっちゃうの?

しかも、誰に相談すればいいのかもわからない。

食欲もなくて、マミの体調の変化に気づいたのは秀吉だった。

「マミ、最近食欲ないようだが、どこか具合が悪いのか」

「あ、大丈夫です」

大丈夫ではない。

なんとかしなくてはいけない。

それから、つわりの症状が出てきた。

やっぱり妊娠、しかも天下統一した織田信長の子供。

えっ、私、歴史に名を連ねちゃうの?

まさかね、きっと夢だよね。
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