戦国武将織田信長の不器用な恋
「大丈夫です、それより、信長様はどうしていますか、怒らせちゃったみたいで」

「お館様なら、あれからずっとお前の部屋の前にいるよ」

「えっ、どう言うことですか」

「心配で仕方ないって、廊下にずっと座ってる、部屋で休むように促したが聞く耳持ってくださらなくて」

マミは部屋の襖を開けた。

そこには信長が廊下の柱に寄りかかり眠っていた。

「信長様、信長様」

「おお、マミ、元気になったか」

「まだですけど、信長様はこんなところで何をなさってるんですか」

「何って、お前を怒らせてしまって、どうしていいかわからなかった」

信長は恥ずかしそうに俯いた。

マミはあんなに威張り散らして、誰の言葉も聞く耳持たない信長が、どうしていいかわからないって、恥ずかしそうにしている姿は以外すぎて、キュンときてしまった。

マミは信長にギュッと抱きついた。

「マミ?」

「お部屋で休んでください、私は大丈夫ですから、それから、毎日、顔を見せてください、
そうしないと、心配で仕方ありません」

「もう、俺を怒っていないか」

「怒っていません」
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