再会は光の中で~ひっそりと子育てしていたら、あなたの愛に包まれました~
4.君が消えてしまったあと(紘登SIDE)
四年前、亜澄と連絡が取れなくなったのは、俺が仕事を一週間休んだ頃のことだ。
しばらく実家へ戻るとメッセージを残し、それ以来連絡を取れなくなった。連絡をしても、アパートにも戻った気配はなく、何度訪ねても彼女が戻ることはなかった。彼女の実家の場所や連絡先を聞いていなかった。こんな風に消えてしまうとは考えてもいなかったからだ。事態を理解した時に愕然とした。
まさか……亜澄とはもう二度と会えないということなのか⁉
ほんの一週間前には、この腕の中にいたはずが、今はどこへいるのかさえ分からないなんて……。
いつもは冷静に行動できる俺も、さすがに数日が過ぎるとおかしくなりそうだった。一週間ほど休みを取りたいと欠勤の連絡を入れると、すぐに祖父から連絡が入った。
「体調が悪いのか?」
「いえ……。今は仕事どころじゃないんです。どうしても、やらなくてはならないことが……」
お互いの実家については何も話してはいなかったから、彼女の居場所を探す術などない。しかし、このままではとても仕事が手につかなかった。
「紘登、もう覚悟を決めろと言うことだ。仕事に私情を挟むものではない。お前には私の仕事を引き継いでこの会社を大きくしていってもらいたいんだ。理解してくれ」