再会は光の中で~ひっそりと子育てしていたら、あなたの愛に包まれました~
「お願いです。私が尋ねたことは、どうか内密に。現在の詳しい状況を教えてもらえませんか?」
その女性は、分かる範囲の詳細を教えてくれた。
亜澄は娘を保育園に預け、駅前のカフェレストランで働いていること。時々、兄は来るが、それ以外の男性は見かけないこと。
しかし、すべてのことは直接聞かなくては分からない……。
車に乗り込むと、駅前にあるカフェレストランへと向かった。
店に近づくと、亜澄が中で働いている様子が目に入る。オーダーを取ったり、食事を運んだり、せわしなく働いていた。店内に入ろうかとも考えたが、迷惑を考え少し待つことにした。
しばらくして、外へ看板を片づけに現れたタイミングで彼女に近づく。
「紘登……」
声を聞いて体が敏感に反応した。
このまま抱きしめて連れ去ってしまいたい……。
そうしたい気持ちを静めるために、手に力を込めて気を紛らわせた。
「ごめん……急に」
亜澄が困ったような表情を浮かべている。
尋ねたいことは山ほどあるが、こうして亜澄の顔を間近で見れただけでも、今は嬉しかった。
彼女がそばにいてくれれば、それだけでいい。
どうすれば亜澄をこの腕に取り戻せるだろうか……。